サービス・料金設計で大切な「価値」の考え方【現役ペットシッター/資格講師が解説】
こんにちは。
現役ペットシッターでペットシッターの資格講師をしているさいとうです。
ここでは、お客様にとってのペットシッターの「価値」について解説します。
ペットシッター開業に当たって、料金設定は重要なポイントです。
- 高すぎて使われないのも
- 安すぎて商売として成り立たないのも
どっちもNGです。
効果的な料金設定をするためには、お客様が何に「価値」を感じてペットシッターを利用するのか?を考える必要があります。
それでは、始めましょう。
よく聞く声
普段、研修に参加された生徒さんや、開業する方のサポートをしていてよく聞く声があります。
お世話料金は安めにしよう…
1時間2,000円くらい?
結構な頻度でこういった考えを聞くのですが、「なぜ安めにするのか?」理由を聞いていくと、ほとんどが次のような理由からでした。
お世話料金を安くしようと考える理由
- 使ってもらえないんじゃないかと不安…
- ご飯とトイレのお世話をするだけだし…
- 普段当たり前にしていることだから…
ちょっと待って
お客様にとってのペットシッターの「価値」を低く見積もりすぎてるんじゃない?
お客様にとってペットシッターにお世話を依頼するということは、私達が考える以上に価値のあることである場合がたくさんあります。
安易に安すぎる料金にしてはいけない理由
そもそも、なぜ安すぎる料金設定にしてはいけないのでしょうか?
お客様にとっては安いに越したことないんじゃない?
理由はいくつかあるよ
- 長く続けていけない
- 安すぎると逆に不安
長く続けていけない
料金を決める前に、時間単価で計算してみよう
仮に1時間のお世話料金を2,000円とした場合、時給2,000円のように見えますが実際には違います。
1回のお世話をするためには次のような流れと時間が発生します。
※交通費の計算は簡略化のため省きます。
お世話の流れとかかる時間
訪問先までの時間が片道30分の場合、往復1時間+打合せ約30分=1時間30分
訪問先までの時間が片道30分の場合、往復1時間+お世話1時間=2時間
訪問先までの時間が片道30分の場合、往復1時間
1日1回のお世話のために、合計4時間30分が必要です。
この場合、時給は2,000円÷4時間30分でたったの444円になってしまいます。
これを埋めるためには、その分沢山の依頼を受ける必要があるので疲弊してしまい、お世話のクオリティが保てなくなる可能性もあります。
前後の時間を含めると、こんな時給になるんだ!
これではさすがにやっていけないよ…
自分の時間はタダじゃないからね
それに地域で長く続けていくことで、助かるペットと飼い主さんがいるんじゃないかな
安すぎると逆に不安
お客様にとっても、はじめてペットシッターを依頼する時は不安でいっぱいです。
- 知らない人に自宅の鍵を預ける
- 知らない人が留守宅に入る
- 知らない人に大切な家族(ペット)をまかせる
少しでも安心して出かけられるよう、より信頼できるペットシッターに任せたいと考えるものです。
極端に安い料金設定では、「安かろう悪かろうではないか?」と敬遠されてしまう可能性があります。
人は「価値」にお金を払う
そもそも、人が商品やサービスにお金を払うのは、商品そのものではなく、それによって得られる効果・体験・感情に「価値」を感じるからです。
また、何に「価値」を感じるかは人によって個人差があります。
例を上げると、
何が「価値」か? | 選択肢 | 「価値」の価格換算 |
---|---|---|
場所移動の効果 | 中古車 | 40万円〜300万円程度 |
速さの体験 | スポーツカー | 300万円〜700万円程度 |
ブランドに対する感情 | 高級車 | 700万円〜2,000万円以上 |
このように、車ひとつを例に取ってみても、何に「価値」を感じるかによって選択肢と価格は大きく変わります。
この点を踏まえ、料金設計とは「誰」に、「何」を、「いくら」で提供するか?を決めることなのです。
お客様は何に「価値」を感じるのか?
私はこれまで、ペットシッターのサービスをご利用いただいた全てのお客様に、初回利用後のアンケートをお願いしてきました。
その中で、お客様にとってペットシッターを依頼することにどんな「価値」があったか?に該当する声をいくつか集めてみました。
- 安心して旅行を楽しむことができた。
- 気兼ねなく仕事に行ける。
- ペットの表情がわかり、とても安心できた。
- 旅行中も途中からお世話の報告が楽しみになった。
- ビビリな子がお腹を見せるほどリラックスしていて驚いた。
- きめ細かな配慮で安心できた。
まとめると、お客様が価値を感じたのは「安心」であり、「おでかけの満喫」であり、「ペットのストレスが少ないこと」であり、「サービスへの満足」でした。
私が思っていたよりも、いろいろ価値を感じてもらえるんだ
お客様にとっての魅力的なサービスや料金を考えてね
まとめ
今回は、お客様が何に価値を感じるのか?というテーマでお話しました。
- お世話料金は高すぎても、安すぎてもNG
- 料金を決める前に時間単価で考えてみよう
- 人は「効果」「体験」「感情」にお金を払う
参考にしてみてください。
魅力的なサービス・料金の設計ができることを応援しています。
それでは。