ペットシッターになる方法を資格講師が解説します【2024年版】
こんにちは。
現役ペットシッターでペットシッターの資格講師をしているさいとうです。
ペットシッターになりたいんだけど、方法がわからなくて…
どうしたらなれるの?
この記事ではペットシッターになる方法を解説します。
細かい情報を網羅するというよりも、これからペットシッターになりたいという方にとって必要な情報だけをなるべくシンプルに説明します。
この記事を読むと、ペットシッターになる方法が分かります。
2024年現在の内容になりますので、その点はご了承ください。
それでは始めましょう。
ペットシッターになる3つの方法
ペットシッターになるにはどんな方法があるの?
まず、ペットシッターとして働くには3つの方法があります。
- 個人事業主として独立開業する方法
- フランチャイズオーナーとして開業する方法
- ペットシッターの事業者に雇ってもらう方法
この記事では1番目の個人事業主として独立開業する方法を解説します。
自由度が高くて、利益も多いのでいちばんオススメ
ペットシッターの開業手順
個人事業主として開業する手順を紹介します
ペットシッターの開業手順
順番に解説します。
1.資格と実務経験の要件を満たす
ペットシッターとして開業するためには動物取扱業の登録が必要です。
この動物取扱業というのは動物に関わる事業者のことで、登録をせずに営業した場合は100万以下の罰金となります。
この動物取扱業に登録するためには、動物取扱責任者を置く必要があります。
動物取り扱い責任者とは文字通り動物の取り扱いに関する責任者のことです。
- 動物の取り扱いに関する責任者
- 事業所のある都道府県ごとに1人設置が必要
- 年1回保健所の研修を受講する必要がある
- 動物取扱責任者の届け出には資格と実務経験の証明が必要
動物取扱責任者になるためには資格と実務経験が必要です。
資格の代わりに動物関連の教育機関を卒業するという方法もありますが、こちらは難易度が高いので資格プラス実務経験のパターンについて説明します。
ペットシッターの開業要件を満たす資格
ペットシッターになるために必要な資格とは、第一種動物取扱業 保管の要件を満たす資格です。第一種動物取扱業とは、営利目的で動物を取り扱う事業者のことを指します。
ペットショップやペットシッター、ペットホテルからトリマー・猫カフェ・動物園まで、お金のやり取りが発生する事業は全て第一種動物取扱業にあたります。
ちなみに第二種動物取扱業もあり、こちらは非営利の事業者をさします。
保護団体などがこれに当たります。
次に保管はこれらのうち動物の保管を伴うものが該当します。
ペットホテルやトリマーなどです。
ペットシッターも店舗があるわけではありませんが保管に当たります。
現在この要件を満たす資格がこちらです。
- 愛玩動物飼養管理士(1級、2級)
- 愛玩動物取扱管理士
- 家庭動物管理士
- 家庭犬訓練士
- JAHA認定インストラクター
- 動物介在福祉士
- 動物看護師
- ペットシッター士
- 公認訓練士
- 認定ペットシッター
- 愛犬飼育管理士(犬に限る)
- 小動物飼養販売管理士
- Good Citizen Test(GTC)
- 動物取扱士
- 実験動物技術者(3級)
- トリマー
この他にもありますが、例えば馬に限るといった専門性の高い資格は除いています。
気をつけていただきたいのがペットに関連する資格の中には、要件を満たさない資格もあるという点です。
例えばドッグシッターやキャットケアスペシャリストといった資格は、いかにもペットシッターっぽい名前ではありますが、実際には保管の要件を満たさないのでお金をかけて資格を取ったとしてもペットシッターとして開業することはできません。(2024年現在)
資格を取ろうとする前に自分がなりたい仕事の開業要件を満たしているか、しっかり確認しましょう。
他の資格は分かりませんが私はこのペットシッター士の資格認定研修の講師をしていますので、簡単に紹介しておきます。
- 自宅学習と2日間の研修と認定試験で、最低1〜2ヶ月で取得可能
- フランチャイズへの加入の必要なし
- お世話中の事故などに備えた総合補償制度あり(加入は任意)
- 取得後のお客様へのサービス内容や料金設定の縛りなし
この資格は自宅学習と2日間の研修と認定試験で、最低1〜2ヶ月で取得できます。
取得後も例えばフランチャイズに加入しなければならないといった縛りは、一切ありません。
お世話中の事故などに備えた保険に加入するサービスもありますが、それも強制ではありません。お客様へのサービス内容や料金設定も、全て自分で考えた通りにできます。
もし、どの資格を取るか迷うならペットシッター士をお勧めしておきます
開業要件:実務経験を満たす
続いて実務経験です。
ペットシッターの開業には資格と合わせて、第一種動物取扱業で6ヶ月以上の実務経験が必要というものです。
以前は資格か実務経験のどちらかを満たせば良かったのですが、2020年6月から両方とも必須となりました。
動物取扱業の開業要件は、動物の愛護及び管理に関する法律という法律で定められていますが、実はだんだん条件が厳しくなってきています。
この法律は動物の尊厳を人間と同じように尊重しましょうというのが根本理念なのですが、残念ながらこの動物愛護の精神に反する事業者が存在していたという事実に対応するために厳しくなってきたという背景があります。
とはいえペットシッターになるには2024年現在で、実務経験の証明がいちばんの難関といえます。
うまく実務経験が積める勤め先があればいいですが、地方で近隣にペットシッターが存在しないなど、実務経験を積むことが困難な場合もあると思います。
その場合の対応は地域の窓口によって異なります。
例えば、研修の受講生から実際に聞いた話ですが、ご自身の飼っているペットの飼育記録を1年間つけて提出するということで開業できたという自治体の例もあります。
開業予定地域の保健所などの窓口に、まずは相談してみてね
2.第一種動物取扱業の登録
資格と実務経験の要件を満たしたらいよいよ動物取扱業の登録です。
登録の窓口は開業する地域の都道府県または政令指定都市を管轄する保健所などです。市役所の保健所が窓口の場合がほとんどです。
資格の証明書と実務経験の証明書を添えて書類を提出すれば動物取扱業の登録は完了です。
3.税務所に開業届など必要書類を提出する
動物取扱業の登録が終わったら、次は個人事業主として事業を始めるに当たっての手続きを行います。
税務所などの行政機関への、必要書類の提出です。
- 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)
- 青色申告承認申請書
- 事業開始等申告書
下のボタンのリンク先サービスを使うと、開業時に提出する書類をガイドに従って無料で作成することができます。
個人事業の開業・廃業等届出書
個人事業を開業したとき、1ヶ月以内に納税地の税務署に届け出る書類。
事業用クレジットカードを作るときや、クレジット決済・PayPayなどのQR決済を導入する際の審査で、開業届の控えの提出を求められることがあります。
書類は2部作成して、1部を控えにとっておくのがおすすめ
青色申告承認申請書
確定申告で青色申告を選択する場合に、開業2ヶ月以内に税務署に提出する書類。
- 最大65万円の特別控除が受けられる
- 最大3年間赤字を繰り越せる
- 家族に支払う給与を経費にできる
- 30万円以内の備品購入を一括で経費にできる
青色申告には沢山のメリットがあります。
ただし65万円の特別控除を受けるには、複式簿記でしっかりと記帳する必要があります。
複式簿記?
なんだか難しそう…
会計ソフトを使えば、自動的に複式簿記で記帳してくれるよ
よっぽど会計知識に自信がある場合以外は会計ソフトを導入しよう
事業開始等申告書
個人事業税の対象になる事業を行う人が、都道府県税事務所に提出する書類。
4.サービスの提供・営業活動を開始する
ここまで完了したらいよいよ営業開始です。
お客様に知ってもらい、実際にサービスを提供する段階になります。
そのために必要な事前の準備をしておきましょう。
サービス提供・営業活動の準備
まず、どのような内容のサービスをいくらで提供するかといったサービス内容と料金を決めます。
内容が決まったら集客に必要なホームページを作ります。
サービス内容やお客様にとっての価値が伝わる内容にしましょう。
公式サイトはこちら
問い合わせにスムーズに対応できるように、契約書や打ち合わせメモ・鍵の預かり書といった書式を用意しておきます。
必要に応じてチラシや名刺などのツールも用意します。
これらの準備ができたらチラシ配りやSNSでの発信など、お客様に知っていただくための営業活動を始めましょう。営業活動は継続することが大切です。
まとめ
以上、ペットシッターになる方法というテーマでお話しました。
- ペットシッター開業には資格と実務経験が必要
- 税務署など行政機関への届け出も忘れずに
- ホームページや営業様式を作ったら営業を開始する
- 資格を取る前に開業後のシミュレーションをしてみる
参考にしてみてください。
あなたの人生の新しい一歩を踏み出す助けになれば嬉しいです。
ただし、この一連の流れに取りかかる前に最初にやっていただきたい、大切なことがあります。
それが開業前のシミュレーションです。
私が研修をしていても、受講生から必ず聞かれる質問があります。
ペットシッター1本で食べていけるようになりますか?
資格を取るにしても最低でも数万円はかかるわけですし、実務経験を満たすにも最低半年はかかりますから、その不安はもっともだと思います。
ペットシッターを目指す段階で開業後のシミュレーションを事前に行い、不安を払拭しておくことをお勧めします。
開業前のシミュレーションについては、下記の記事で詳しく解説しています。もし興味があれば読んでください。